・ヤナギダくんのリズケン日記_3月号

フィル・インを叩こうの巻

 ここ数回のレッスンは、「曲で叩く」といった内容です。
 課題曲があって、みんなでソレを演奏するというもの。 今までは、例えばスティックワークだとか、バスドラムの叩き方とか、基本的なビートの習得といった内容だったわけで、今回のようにロック・ソングを叩くっていうのはやっぱり、楽しいわけです。 あっ、別に今までのレッスンが辛く苦しいものだったというわけではございませんが(笑)。

 そうやって曲を叩くとなると、避けては通れないのがフィル・インというやつです。

 フィル・インって言うと、ドラマーにとってイチバンの見せ場だと思う方もいらっしゃるんではないでしょうか?確かに、カッコイイフィル・インを観たり聴いたりすると

「俺も、ああいう風に叩きてぇなぁ〜」

なんて思ってしまうものです。
 でも、自分がドラム叩いてる時に「俺の見せ場だぁ!」なんて思って、すげぇフィル・インを叩こうとして、逆に失敗してしまって×××なんてこともあったり無かったり(そういう経験、ありませんか?)。

というわけで、今回はそんなフィル・インがテーマです。

 日頃ドラムを叩いててフィル・インの部分は、特にこうしようとかああしようとか、あんまり事前に考えておかないんです、僕は。 なんていうか、その場のノリ一発、みたいな感じで。 それだと、結局いつも同じようになっちゃうわけで。 そこで必要なのが、事前にネタを用意して、常にフィル・インのボキャブラリーを増やす努力をしておくってことだったんです!!!

 あ、当たり前って思うかもしれないですけど、今まで僕の中でフィル・インっていうのは「生もの」というか、「その場で考えて叩くもの」みたいな勝手な思い込みがありまして。 大袈裟に言えば、フィル・インを入れるパートがきたら何も考えずに叩く、という感じで(ちょっと大袈裟すぎか/笑)。
 それじゃぁ、何かすごい発明的なフィル・インを毎回思いつかない限り、いつまで経っても同じような感じのフィル・インになってしまいますよねぇ…。
 だから、事前にフィル・インのネタを作っておくっていうことは、全くもって悪いことでもなんでもなかったわけです。 思い込みって恐い(笑)。

 でも、うちにドラムセットがあって、毎日ソレを好きなだけ叩けるって程、素晴らしい環境があるわけではないので、なかなかフィル・インの練習って難しいんじゃないかなぁって思ったんですよ。
 やっぱりフィル・インの練習だったら、ドラムセットに対峙して、いっぱい叩くところがあったほうが練習しやすいんじゃないのかなって。

 しかーし、フィル・インのボキャブラリーを増やすっていうのはそういうことじゃないんだそうで、

「手順+音の波形を増やす」

っていうことなんだそうです。 初めそう説明されてもよく分からなかったんですが、

「スティックワークの練習でやったいろいろな手順を、練習台からドラムセットに移行する」

と解釈すれば納得。
 今まではさまざまな音符を叩けるようになることが目的で練習台という一箇所のみを叩いてたわけですが、その練習してきた手順を叩くところの沢山あるドラムセットに移せば無限にフィルとして応用できるというわけです!!
そうか、こんな身近なところにネタがいっぱいあったなんて!! そう思えば、練習台と対峙する練習も、言われずとも自らすすんで練習できるようになりそうです(笑)。そんなことをふまえつつ、お次のレッスンは2人ずつで8ビートを叩きながら2小節ごとに交互にフィルを叩くというモノ。

 しかし、僕には強い味方がいます。 そう、さんざん練習したスティックワークの手順達。 これさえあれば、フィル・インのネタに事欠かないという、まさに「鬼に金棒」みたいな。

 ではいざ、勝負!!というわけで、叩きます(別に競ってる訳じゃないんですけどもね)。
 交互にやるっていうのは、一緒に叩く人のフィル・インもヒントになるし、普通バンドとかでもドラムは一人だし、なんだか新鮮です。
 さっそく、日頃練習してるやつを、ドラムセット対応版で演奏してみます。 習ったことをさっそく実行しちゃう俺って、やっぱり凄いかもとか思いつつ(笑)。
 

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