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今月のおすすめ担当  リズケン研究生・緒方 司
「ライヴ!!(17-11-70)」 Elton John

 エルトン・ジョン初登場っ!!?

 オガチン:『よかったねエルトン! 長年待った甲斐あってやっとリズケンのおすすめCDに紹介されることになったよ。』 

エルトン:『Oh Yeah~ I've been waiting long long time.

っというわけで今回はあのエルトン・ジョンのアメリカ進出初ライブの音源を紹介したいと思います。


 17-11-70ってタイトルは1970年11月17日っていう意味でこの日にニューヨークのA&Rレコーディング・スタジオでライブ録音されました。お客さんは100人程度だったそうです。

 メンバーはエルトン・ジョン(ピアノ&ボーカル)、ナイジェル・オルソン(ドラムス&バック・ボーカル)、ディー・マレイ(ベース&バック・ボーカル)の三人。
 この音源を聞くたび僕はこれこそバンドだ!って思うのです。たった三人でここまで出来るってお手本だと思います。

 最近3人のバンドを良く目にする機会がありますがそのほとんどが音の洪水で終ってしまっている印象で僕にとって魅力を感じるものはほとんどありません。(言い切ってしまった。)

 では33年前に録音されたこのアルバムのどこがそんなに良いのか?

 文章で書き綴るのはかなり難しいですが、みなさんに『そうか〜 じゃ 1回聞いてみようかな。』って思ってもらえるように紹介させてもらいます。


 ドラマーのナイジェル・オルソンって言う人は今も昔もエルトンにとっては掛け替えのないドラマーであるのは確かなのですが残念ながら今までそれほど評価されることのないドラマーでした。確かに凄いテクニックを持ったドラマーでは無いかもしれませんが、バンドアンサンブルの中での彼のプレイが僕は大好きなのです。

 音の抜き方がとても凄いのだ! なんて書いても何のことやらさっぱりわかりませんよねー。みなさんやっぱり1回聞いて下さいよ。うんそれが壱番だ。

 僕がアンソニー・ジャクソンよりもジャコ・パストリアスよりもマーカス・ミラーよりもポール・マッカートニーよりもデビット・ハンゲイトよりも好きなベーシストはディー・マレイです。
 ベースという楽器をこんなにメロディアスに弾くことが出来てしかも凄いビート感をだせるベーシストを僕は他に知りません。(マタ言い切ってしまった。。)

 みなさん。この2人の奏でるリズムは戦車なんです。エルトンのパーカッシブなピアノが引き立つのはこの2人の『戦車のリズム』が有ってこそなんです。

 この時代のエルトンの楽曲にとても多いのがチキチキタカチキ(スロー16ビート)なのですが、やはりこのアルバムでも多く聞けます。

 この2人の演奏で非常に特徴的な事があります。ナイジェルはバスドラムで、ディーはメロディアスなベースで16分音符の裏を頻繁に演奏します。
 これがまるでバスドラムが音階を持ったように聞こえてくるんです!ほんとにヤッホーって叫びたくなるほど格好良いんですよ。『ヤッホー』って言ってる間にエルトンのピアノの左手が16分の頭に強烈な音で入ってきます。そして右手のブルージーなフレーズが来るともう『戦車ヤッホーチキチキファンケーっ』という結果になります。

 スティーブ・ガッドとリチャード・ティーの2人でやるチキチーチキチーにもノックアウトをくらいましたがエルトンバンドも絶対負けてないねー。うん。これは勝っている。


 エルトンは76年あたりからスタジオ・ミュージシャンを起用するようになり長い間ナイジェル&ディーはエルトン・バンドから離れていました。そしてディー・マレイは残念ながら92年に45才の若さで他界してしまいました。

 その後ナイジェルにもうエルトンとは一緒に演奏しないのか?っとの質問に

『ディーなしで昔の様なプレイが出来ると思うかい?』

っと答えていたそうです。うーん納得。

 しかし嬉しいことに2000年からナイジェル・オルソンはエルトンのツアーメンバーに復帰したのでした。
 去年2回ほどステージを観ることが出来ましたが、昔のようなスリリングな演奏はナイにしろナイジェルのビートで安心して気持ちよさそうにピアノを弾き、歌を歌うエルトン・ジョンの表情は忘れられません。

 どうです?みなさん少しはオガチンの熱意を感じていただけましたでしょうか?
 『うーん何となく分からないでもない。』って方も『やっぱりさっぱりわかんない。』って方も一度聞いてみてもらえると非常に嬉しいな〜。


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