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今月のおすすめ担当  リズケン研究生・小林 和弘
「LIVE Beautiful songs」
 研究生とは名ばかりの僕が(笑)この記事ぐらいはちゃんと書こうと思い、紹介するCDを何にしようか正直迷いました。
 うちに転がる名盤の数々・・・、いまだちゃんと聞けてない(ダメじゃん!)そんな中で自分らしい一枚を選ぼうと思い、手にとったのが「LIVE Beautiful songs」です。


 2001年夏、日本最高のヴォーカリスト5人が同じステージに立った歌の祭典。

 その歌声でどんな人でも優しい気持ちにさせてしまうであろう大貫妙子、力強さの中に男の生き様を感じさせてくれる奥田民生、何かすべての事を悟ったかのような温かさを持つ鈴木慶一、歌に対する情熱を誰よりも伝えてくれる宮沢和史、そして、もはや説明不要、世界のトップアーティスト矢野顕子。
 こんな日本の誇る「歌うたい」5人を集めてしまったよだれモノの・・・、いや、失礼・・・、とにかくこれでもか!というほど贅沢なステージ。幕を閉じた瞬間に伝説となったというのもうなずける。


 僕はとにかく洋楽邦楽問わず歌が大好きなので、このCDの存在を知った時のショックといったらなかった。こんなライブがあったなんて・・・、しかも思いっきり見逃してるし・・・。
 で、ななな、なんと、ドラマーは私のアイドル、いや日本中のドラマーの憧れであろう、沼澤尚ではないですかー!!
 僕がニヤニヤしながら買って帰ったのは記憶に新しい。

 さっそく聞いてみた感想は、「やられた」の一言・・・、なんて深いライブなのだろう。
 それぞれのアーティストについて深い知識を持っていなかったはずの僕が、5人の歌声、楽曲、キャラクター、そのすべてに引き込まれる、引き込まれる。
 5人の中の誰が誰の曲を歌おうとその人の曲になってしまうその瞬間が異常な緊迫感を生み感動を呼び起こす。ドラマーが誰だろうとか、そういうことは逆にどうでもよくなって、とにかく完全にノックアウト。広がっていく歌の世界に心震えて何度も涙腺を刺激されてしまった。
 
 糸井重里の書いた同じ詩にそれぞれが歌をつけるといった試みからは5人の見てきたまるっきり違うその風景が音になっていく様をはっきりと感じとることができる。
 アレンジは歌を生かすことが中心に成り立っているので、ドラムが入っていない楽曲も多数出てくるが、「それでいいんだ」、そんな風に感じさせてくれるライブ盤なのである。
 叩かないことがより多くを語る、とかよくいうけれど、こういうことなのかもしれない。その楽曲がドラムの音なしで成り立つとしたらドラマーとしてもそれが一番かっこいいのかも・・・、そんな極論を平気で言えるような気分にさせてくれるのだ。
 それだけこの5人の歌うたいが素晴らしいという事、誰が聞いてもきっと自分の中に何か感じるものがあると思う。

 そしてこんな次元をドラマーとして目指す僕にとっては最高のお手本アルバムなのである(自分はまだまだヘボドラマーですが・・・(^_^;))。
 私がこのライブ盤を聞いてからというもの、彼ら5人に関係するCDを集めまくっているのはいうまでもない。

 2002年も復活したこのライブ。それぞれのアーティストにあまり興味のない人もまずはこのライブ盤を手にとって、日本の音楽界(歌の世界)で何が起こっているのか?そんなところから入ってみてもおもしろいのではないだろうか。

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