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リズケンスタッフが月代わりで紹介するオススメアルバム。今回の担当者は、ドラマーの研究に熱心な研究生白沢友孝くんです。
「The ForbiddenZone」Tom Coster

 私が、お薦めするのは、94年発売Tom Costerの「The ForbiddenZone」です。

 94年、当時ドラムマガジンで、「デニチェンになる!」というコーナーで、このアルバムが紹介されていて、試しに聴いてみたところ、あまりのすごさにノックアウトされてしまいました。
 スティーリー・ダンやナイアシンetc...でやっているデニチェンも良いのですが、個人的にはデニチェンのプレイの中で一番好きなアルバムです。まずは参加ミュージシャンから紹介します。

Tom Coster(Key) Bob Berg(Ts) Scott Henderson(Guitar) 
Jeff Andrews(Guitar) Alphonso Johnson(Bass)
Dennis Chambers(Ds) Raul Rekow(Conga's) Karl Perazzo(Timbales)

です。

 特筆すべきはM2の「Jazz Lament」という曲で、フュージョンっぽいキメのあるテーマの後にソロ回しをするだけの曲ですが、テンポも速い上に、Tom Coster(Key)特
有のフレーズがややこしく、最初は頭がどこにあるのかも聴き取れませんでした。
(テンポチェンジの4ビートもありさらにややこしさ倍増です)

 これでソロを取れるミュージシャンもすごい!!


 デニチェンのドラムの音ですが、スネアとハイハットはピッチが高くおそらく両方1 3インチのものを使っていると思われ、ベースとあいまって非常にタイトに聴こえます。

 プレイの方ですが、「ウ〜〜ン!」と、唸ってしまう位かっこいいです。変幻自在のアクセント、パワー・スピード感あふれる爽快なドラミング!
「デヴィッド・ガリバルディっぽい」といえば多少わかっていただけるでしょうか?

 「よいフレーズが浮かばない」

というドラマーの方には、おいしいネタが沢山詰まっています。思いもしなかったフレーズが聞えてくるはずです。

 しかし、一般のリスナーにはまったく受け入れられないであろう、ミュージシャン向 けのアルバムですが、96年に出た「from the street」(ドラムはもちろんデニチェン)と合わせて、特に、音の洪水に浸りたいドラマーの方に聴いて欲しいアルバムです。

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