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今回の担当者は、クラシックパーカッションからラテンパーカッションまでこなすリズケン研究生、則包桜さんです。
「STEREP」 山崎まさよし

 私の数あるオススメの中から選んだ一枚は、山崎まさよし「STEREO」です。

 私が彼を初めて知ったのは4年前のある日の事でした。
 夕食の後何気なくテレビの歌番組を見ていたら、真っ暗なスタジオで一点を見つめたまま微動だにせず、ただただ歌う彼の姿がありました。最初は、

 何だこの陰気くさい人は〜!?

と驚いて見ていたのですが、たちまち彼の歌、くせのある声に圧倒されてしまいました。何度も何度も同じフレーズを繰り返しているだけなのに、ものすごい存在感を放っていたのです。

 後で知ったのですが、その曲は彼の主演した映画「月とキャベツ」の主題歌「One m
ore time,One more chance」でした。
 その時の強烈なインパクトが忘れられず、私はすぐに彼のCDを買い集めました。中
でも彼のファーストアルバムであるこの一枚は私にかなりの衝撃を与えました。

 なんと!!!

 彼はこのアルバムを自らプロデュースし、作詞作曲はもちろんのこと、ピアノ、ギタ
ー、ベース、ドラム、パーカッション、ブルースハープ、はたまたヴィヴラフォンまで全て自分で演奏していたのです。
 他のミュージシャンはアコーディオンのLION MERRY氏とエレキベースで参加している中村キタロー氏のわずか2人。しかもたったの一曲だけ。この時点で私は完全に彼にノックアウトされてしまいました。

 全てにこだわった挙げ句、彼独自の世界をつくりあげるには一番手っ取り早い方法だったのでしょうか、、、?

 個人的に言わせて頂くとけっこうコンガや小物もいい感じなのです。内容もバラエティーに富んでいて、その詞からは肩の力の抜けた自然体の山崎将義が伝わってきます。


例えば、


 単純に物を考えるようにしてる
 そうでなくたって手に余るから
 僕に出来ること ただそれだけを
  (ツバメ)より      

 

 擦れ違った あの横顔は たしかに君だった
 別にどうってことないんだけど
 ただ ただ 君だったなぁ
     (ただ ただ・・・)より
        

などなど。

 その他も某雑誌のコメントで彼は、「要はその、僕の歌ん中では、何も完結しなくて
いいとは思ってますね。「こんなん出ましたでぇ」みたいな。」と言っておりましたが、その言葉が彼の音楽へのスタンスを全て物語っていると思われます。とにかくいろんな意味で魅力のある人ですね。

 ここまで読めばもう聞きたくてしょうがなくなっているでしょう、、、?

 いざ、CDショップへ!!        


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