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ためになるかどうかはあなた次第!?
「ドラマーのための雑学講座」

第6回目
ドラムセットのサウンドメイキング



 私は自他ともに認める「スターウォーズ」マニアである。
 マニアといってもグッズ集めや、トレーディングカード集めなどは一切やらない。あくまでストーリーに入れ込んでいるのだ。

 中学1年生の時(もう25年も前になるんだなー!)、スクリーンでインペリアルスターデストロイヤーの勇姿を見た瞬間からはまりまくっている。

 まあ、そんなことはどうでもいいのだが、小説版のスターウォーズ(何に出ていたのかは忘れましたが)にこんな印象的な言葉が出ているので紹介させていただきます。

「単純なことと容易なことは違う。同じように複雑なことと困難なことも違う。そして、困難は不可能という意味ではない。」

物事の本質を見極め、シンプルに行きましょう!!

というわけで、今回もサウンドメイキングについてです。ドラマーには、ちょっと厳しい話になるかも?


§1 誰でも出せる打楽器の音(特にドラム)


 ドラムセットはスティックで打面を叩けば誰でも簡単に音が出せる楽器です。しかも、そのまま演奏しても問題ない音が出ます。
 管楽器や弦楽器の場合、演奏の前に音を出すための練習なり訓練が必要であり、楽器としての音を出すためには相当の苦労を強いられます。したがって、演奏技術うんぬんという前に「自分の音はどうなんだ?」という研究をする人が多いように思います。
 ドラムセットを演奏する人にはこの苦労は無いわけで、いきなり演奏技術の訓練、練習に突入していくわけです。いったい何が言いたいかというと、

「ドラマーには、自分の出す音に気を使う人があまりにも少なすぎる!」

ということなのです。


§2 サウンドメイキングに対する意識

 管楽器を演奏する人の大半は、呼吸方法や息づかい、リードによる音色の変化など、音を出すための工夫をしています。弦楽器の人も同様です。

 ドラマーはどうでしょうか?

 自分の音を探るためにヘッドをあれこれ試したり、スナッピーを変えてみたり、でなければ楽器を変えてみたりといった物理的なことをやる人はいるでしょう。
 しかし、自分のプレイを省みる人は少ないと思います。
音を作るという作業は、もちろん楽器自体も問題ですが、それと同時にあなた自身の演奏の仕方の問題でもあるわけです。

 前セクションで触れたように、ドラムは簡単に音が出せる楽器であるためにそれを叩く方法によって音が変化するという事実が軽視されがちです。
 演奏するための技術を磨くことは大切ですが、音を出す技術を磨くことで自分自身の音を追求する姿勢を持たずして、本当の意味での上達はありえないのではないでしょうか?


§3 音作りのためにまず必要なこと

 貴方がドラムを始めようとしたきっかけは何ですか?
 そして、ドラムを始めてから今日までどのような進化を遂げてきましたか?

 いきなり変なことを聞きましたが、これこそがドラマーとして進化していくために非常に重要なことになるのです。人間にとって原初体験という物は非常に大切です。

 冒頭に書いたように私はスターウォーズをスクリーンで見た瞬間から25年間スターウォーズ・ファンをしているし、初めて食べた食べ物が最悪な味であれば、おそらく生涯嫌いな食べ物となる可能性も大です。これは音楽を聴く、演奏するということに当てはめても同じ事が言えるでしょう。

 目的を持って聴き始めたころの音楽はいつまでも聞きつづけるでしょうし、「この曲、演奏してみたい」と思った初めてのジャンルが自分のプレイスタイルの根っこになるのです。
 そして、好みの曲、バンド、ジャンルを聞きあさり、自分の引き出しにいろいろな情報を詰め込むことで今の貴方のスタイルが完成しているはずです。

 ということは、それまでに体験した(聞いたり、見たり)お気に入りの楽曲のドラムの音が自分にとってのお気に入りのサウンドである可能性も高いといえます。
 いろいろな音を知っているということは、自分の中に蓄積された音に対するイメージの量もたくさんあるということです。

 とにかくたくさんのお気に入りを見つけること、お気に入りのルーツを探ること、興味があることを片っ端から吸収すること、これらの行為がサウンドメイキングの第一歩となるわけです。
 あとは、見つけ出したお気に入りサウンドをどうやったら再現できるか。これを探っていくわけです。
 自分の中に無い物は絶対に出てきません!!!


§4 音作りの実際

 ここから先は、個人個人がそれぞれ考えなければならない領域に入っていきます。
 画一的なチューニング論や一般的に言われている音作りについてはいくらでも語れますが、あえて書きません。

 自分のお気に入りのサウンドを目標として、楽器のチョイス、ヘッドのチョイス、チューニング、ミュート、スティック、ペダル、叩き方.....等、自分が出したい音がどうやったら出せるのかを研究してみてください。

 貴方が求める答えはあなた自身でなければ導き出せません。
自分が蓄えてきた引出しの中の情報、友達との会話、レッスン中の先生の助言や提言。
ヒントはいくらでもあります。
 常識にとらわれない自由な発送で貴方自身の音を見つけてください。


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