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(テキスト:西尾健二)

新企画!

 毎月、コマキ楽器の西尾さんから素晴らしい講座を頂戴していました。今回から「ためになるかどうかはあなた次第!?〜ドラマーのための雑学講座」として新しいコラムが始まります。またまたイイお話しが聞けると思います。楽しみですね!!!


 ボカーン愛読者の皆様 こんにちは。

「なんかこのホームページもリニューアルしたようだぞ」と言うわけでは有りませんが、物理学講座もほぼネタ切れ状態だしあまりにも堅苦しくなってきたのでこのへんで心機一転、今回からは「ためになるかどうか解らないけどもっと気軽に読める、なんでも有りのドラムにまつわる雑学的コラム」を連載していきたいと思います。


「ドラマーとしての成長過程と楽器」


 これまで楽器や音その物を理論的に考え、自分の好みを探る上での手助けになる知識について考えてきました。言ってみれば「楽器を選ぶ前の段階」だったわけです。これからはこの知識をもとに、自分なりの理論を構築しながら楽器について考えていかなければなりません。これにはあなた自身のドラマーとしてのレベルが大きく関わってきます。この辺のことを中心に語ってみます。


§1 壁にぶち当たるのはドラマーとして成長している証。

 皆さんがドラムを始めてから現在にいたる間には色々なことが有ったと思います。自分のプレイが気に入らずスランプに陥ったり、欲しい音が作れずに頭を抱えたり、時には才能が無いんじゃないかなんていう悩みも頭に浮かんだことでしょう。それらひとつひとつを乗り越え、克服することで今のあなたが有るわけです。
 この現象が起こる場合、あることが前提条件として「必ず」存在します。演奏者としてのレベルがあがれば当然、色々な面での欲求は高くなっていきます。そうです!壁にぶつかる現象はあなた自身のドラマーとしてのレベルの向上が原因だったのです。

 皆さん、壁にぶち当たったからと言って悲観しないで下さい。そこに気付いたことこそが成長している証拠なんです。もっと前向きに行きましょう。その壁を乗り越えれば必ずや一皮剥けるはずです。

「レベルが低いうちは、壁にぶち当たったり、自分に不満を感じたりすることに気がつきません。」


§2 もっと良い音を.....


 ドラマーとしてのレベルが上がり耳も肥えてくると、今まで気がつかなかった音にも神経が行き届くようになります。すると、今まで気に入っていた音でも何か物足りない感じがしてきます。そして「もっと良い音がほしい」と思い始めるのです。これは楽器奏者であれば誰にでも起こる避けられない事実です。

 チューニングの研究、ヘッドチョイス、ミュートの方法、スナッピー、フープなど音作りに関わるありとあらゆる部分をいじり倒し、場合によっては楽器を新調します。手探りでも構いません。何が足りないのか、何が違うのか、それを自分自身で探して下さい。そして、ここで行なった作業がすべてその後の血となり肉となるのです。

「本当にそれで良いの? もっと、自分の求めるサウンドを引き出す努力をしましょう。」


§3 楽器やサウンドの変化に伴い自分も変わる?


 自分のプレイがワンランク上がり、それに伴い求めるサウンドが変わると、それまでやっていたプレイでは満足できるサウンドが出せなくなることが有ります。

 打楽器の場合、プレイヤーが変わればサウンドが大きく変わることはご存知だと思いますが、このことは自分自身の中でも起こりうることなんです。
 プレイスタイルや求めるサウンドが変われば自然に楽器への接し方も変わってきます。自分が出したい音はどうやったら出せるのか、どう叩いたらどんな音が出るのか。この辺のことも自分なりに考えれば、あなたのレベルも更なる高みへ上っていくことでしょう。

「演奏テクニックも大切だけど、音を出すための技術も忘れずに!」


§4 まとめ

 今回 書いてきたことは解る人と解らない人に2分されるかもしれませんね。
 何が言いたかったかと言うと、ひとこと

「成長するということは、出来なかったことが出来るようになるということではなく、気付かなかったことに気付けるようになる」

ということです。ここが大切です。

 とにかく慢心すること無く日々新しいことに気付き、自分に足りない物を吸収し、ハードルを乗り越える努力をし続けることが大切なのです。

 成長することで自らの知恵を高め、壁にぶつかることで一皮むける。

 レベルの高いところを目指せば目指すほどストイックな部分も必要になります。自分に負けずがんばりましょう。


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