合同企画!
西新井食い道楽実践編
11月某日

 「今月、かなりキビシイんだよね〜」

 コマキ楽器で出物のシンバルを探していた私は、西尾君のこんなひとことで、仕事モードに切り替わった。西尾君は「書く内容がないよう」なんてつまらない洒落をいったわけではなかったが、私の頭はなにやら冷静になっていった。

 西尾君にこんな風に言われたのは始めてではなかった。しかし、彼はなんだかんだ過酷なスケジュールを乗り越え、なんだかんだ言ってとても早い時期に、的確な内容の原稿を送ってくるのだった。その手際たるや私を筆頭にリズケンスタッフライター陣は比べ物にならないほどなのだ。しかし、どうやら今回はちょっとホントにキビシソウであった。

 そんな話しをつつ以前紹介した「西新井ラーメン」の話しなどになり、やはり西新井はあすこがうまいとか、あの店のナントカがどうだのという話しになった。そして思った。あぁそうだ、普段原稿書いていただいている御礼に、お店に招待しようと。そうなのだ。あれだけの内容をかいてもらいながら、まるでリズケンスタッフと同じ扱いで(^^)、ほぼなんの労い(ねぎらい)もなかったのだった。私が彼のために努力していることと言えば、誰彼連れてコマキにしょっちゅう買い物に行くというしかできていなかった。だがこれは、誰がどうみても努力とは見てもらえるものではなかった。グワハハハ。

 忙しいスケジュールの合間を縫って、その企画は決行された。そう、そもそも飯食いに行く時間があれば原稿を書けばよいのだ。とも思ったが、まぁそこは労い(ねぎらい)ということで、ネギラーメンでも食いに行くかなどといろいろ考えた。結局この日は、「渓」と「オグリ」に行った。異人さんを書いてくれている石川氏やリズケンスタッフなども含め、賑やかな労いの会となった。

 まず渓では、刺身やあなごの天麩羅から始まって、ボカ〜ン編集長御用達のエビスやら青森の田酒をいただいた。会話の内容は、楽器に関する物理学と、電子工学、特に最近のオペアンプ事情と基板のパターン幅と音質劣化の関係、多層基板におけるノイズ対策などについてまで用意してあったが、そんな話しになるわけもなく、こりゃウマイ、コレ好きあれ食いたいの連発。渓のマスターがサービスしてくれたオカシラの煮付け、そして締めくくりにアンコウの小鍋と、実に非の打ち所のない素晴らしい食事会となり、西尾君は誰がどこから見ても機嫌の良い顔となり(というかそこにいた全員がそうであったが)、もうこのまま帰ろうという気持でもあったのだった。

 しかしながら、その後、仕事を早めに終わらせて駆けつけた人達を含め、リズケンでは誰もが知る焼肉屋「オグリ」に行くことになった。実に軽く食べた程度ではあったが、締めくくりのテグタンスープは相変わらず美味く、西尾君も、写真のようにニコニコしながらスプーンを持ち、とても素敵なポーズで応えてくれたのでした。

 実はこの日、デジカメの調子が悪く、撮った画像がほとんどブレてしまい、いまひとつ画像レポートができないのが残念。この実践編、西尾君には「イヤ〜、ホントに美味いね〜」と言っていただき、なんとか成り立ったようである。

 しかしながら、これ読んでる人からは「なんだい自分たちが楽しんでるだけじゃんか」という声が聞こえてきそうである。そこで、次の機会には、このボカ〜ンを読んでくれている読者の方を招待なんてできたら素晴らしいなと考えるのであった。我こそはと思う方は、ボカ〜ンを読んでいる感想を400字以上で送ってみてください。ひょっとしたら実現するかも!?