「ボカ〜ン!」はリズケンがお贈りするエンターテイメント・マガジンです。
リズケン・スタッフや外部ライターの方による傑作をお楽しみください!
リズケンサイト・トップページへ
    

(テキスト:ヤマムラマキト)

番外編シリコン・オーディオ・プレーヤーの巻

 今回は、ちょっと番外編でドラマー紹介ではなく、最近のイクイップメントについて書きたいと思います。

 ここ二十年くらい、電子楽器やコンピュータを使った音楽制作が発展しておりました。最近ではパーソナルなレコーディング環境も充実し、本格的なスタジオでしかできなかったようなことが、家庭でできるといってもいいほどです。ドラマーは叩く場所そのものの問題があるので、家でお気軽にとはいきませんが、それでもノートパソコンとインターフェース、もしくは専用のレコーダーなどを持ち込めばマルチで録音できるんですから便利なものです。

 こうした制作サイド、演奏サイドの環境もさることながら、最近では聞く側の環境もいろいろと変わってきました。いわゆるシリコンオーディオプレーヤーというものです。携帯用オーディオという分野は、ソニーのウォークマン以降、テープやCD、DAT、MDなどポータブルなものもたくさん登場しています。それが、パソコンの普及とあいまって、メモリやハードディスクをベースにしたものがたくさん登場しています。今現在アップルのiPodなどとても人気があって、私自身もああいうものを持ち歩く便利さを体験しまくりました。たとえば家にあるCDや音資料を全部ぶちこんでおくと...。

1) いつでもどこでも聴ける。
2) 忙しいときでも移動の時間に曲をチェックできる。
3) レッスンなどでいつでも聴かせられる。
4) 本番中にもMCの間に曲を確認できる(笑)

 こうして書いてみると、言葉的には別段目新しい感じもないのですが、これが実際に持ってみるとすんばらしく、手放せない感覚になります。

 一昔前はオーディオファンといえば、アンプやスピーカーにこだわって、レコードをじっくり聴くという魅力もありました。音というものにこだわる世界もすばらしいです。シリコンプレーヤーの場合は圧縮がほぼ前提となるので、音質面ではそこそこなところもあります。レコードが和三盆だとすれば、mp3はノンカロリーシュガーという感じでしょうか。甘みはあるけど甘味(うまみ)が無い、みたいな。しかし、膨大な曲数を持ち歩けることの便利さはたまらんです。

 ただ最近では、大きくて綺麗な液晶画面で動画を見ることができるものや、ダイレクトエンコーディングで直接ライン録音ができるものなどもでてきて、私自身は今一度静観してみたりしてます。いっそのことPSPがハードディスク400Gくらい積んでいて録音ができてデジカメにもなって録画もできてDVDも見れてゲームもできてネットもできてOS Xも走ってくれたらいいのに(^^)

 話が横道にそれましたが、こうしたプレーヤーは使ってみると実によいですね。なにより音楽の楽しみ方が広がるし、自分の演奏活動や仕事や練習にも活用できます。無論使う人の頭が固けりゃ持たなくていいとは思いますけど。手軽に楽しむ。現代のラジオなのかもしれませんね。そして、また反対に、生の演奏をじかに肌で感じて聴くという分野において、そこでしかできない体験や演奏法というものがあってしかるべきだと思っています。リアルタイムであることの意味、場を共有することの意味っていうものを演奏の中で再定義できる天才も現れるかもしれませんね〜。

  


Presented by RIZKEN / since 2001.03 / All rights reserved by KENMUSIC