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ココ試験に出ます 2004/3月号
(テキスト:萱谷亮一)

 ようやく寒くなってきました。2月はいつもに増してアッという間に過ぎてしまいましたねぇ。

 そろそろ確定申告の書類をまとめないと・・。自営業はいろいろツライですなぁ。でも確定申告のおかげでこの一年自分がどういう仕事をしたか、何にいくら使ったか、前年と比べてどうだったか、とかいろいろと振り替えれてちょうど良いのかも知れませんね。

 そういえば去年は珍しく楽器を買わなかったなぁ。そういえば最近CDも全然買わなくなりましたねぇ。聞きたいCDが無いのか、音楽自体を聞こうと思わないのか、結婚して守りに入ったか・・・。
 そのかわりと言ってはナンですが、先月チックコリアの「RENDEZVOUS IN NEW YORK」9枚組のライブDVD、買っちゃいました! ¥30,000-!! 
 でも買って良かった!もうこれで当分CD、DVDは買わなくてイイや〜! 

・・・さて、今月のお題ですが、今まで、このコーナーを見た方や、僕のHPなどにいくつかの面白い質問を頂いてますので、それについて少しずつお答えしていきたいと思います。


【(意外と考えたことなかった)Q&A】

Q:「プロとアマチュアの違いってなんですか?」(東京都在住:Aさん、男性)

A:そういえば、何なんでしょうねぇ?厳密に考えれば考えるほど難しい質問です。

「上手いのがプロで下手なのがアマチュア?」
「音楽でお金を稼ぐのがプロで、趣味で音楽してるのがアマ?」

・・・うーん、どっちも何か違う気がするなぁ・・。
 アマチュア(と言われる人)にもプロ(と言われる人)より上手い人いるし、プロ(と言われる)楽器の達人でもバイトしなきゃ生活できない人もいるし、それすらしないで実家でぬくぬくと生活したり、奥さんの稼ぎで生活してたりする人も沢山います。(うらやましいぞ!)

 僕は、学生の頃は「アマは本番で練習以上の演奏を出来ない人で、プロは本番で練習以上の演奏が出来る人だ」と定義づけてましたが、今は、一応音楽で仕事してる人を「プロ」と呼んでるけど、音楽ってスポーツみたいにプロとアマの境が無いし、そんなもの必要ないんじゃないかな?とおもってます。

*誰か完璧に「音楽界のプロとアマの違い」について説明出来る人いたら教えて欲しいですね〜。


Q:「打楽器をしてて良かったと思うときはどんなとき?」(千葉県:Bさん、女性)

A:これはもう、「自分なりのアプローチが自由に出来る」ことに尽きますね。
 譜面に書かれた事以外やっちゃダメ、という時には、あまり「打楽器で良かった!」と感じることは無く、むしろ「ヒマだなー、いいなぁ他の楽器は忙しそうで・・・」と思ってしまいますから。
 逆に、譜面に縛られない音楽をしてるときは、楽器の選択からパターンから、自分のセンスにかかってるわけですから、こんなに楽しいことはないです。だから譜面に書かれたことでも、自分の中から湧き出た音のように演奏するように心がけてます。

 逆に「打楽器でイヤだなぁ」と思う時は「楽器の積み降ろし」ですね。ホントにイヤです 。



Q:「どんな音楽を「良い音楽(演奏)」と思いますか?」(岡山県:Cさん、女性)

A:これまた正解のない難しい質問です。
 まず作品(楽曲)として意味の無い、または意味の分からないモノは良くない(悪い)音楽かな。それ以外は演奏者、または聞く人次第で良い音楽にも悪い音楽にもなると思います。
 ミュージカルなど、同じ事を何回も毎日やってても、日によっては、「今日はものすごい良い舞台だった!」と感じたり、「全然ダメ」と思ったりします。そうかと思えば、フリージャズのように何
の打ち合わせもなく始まった演奏が、もう2度と出来ないような素晴らしい作品に仕上がったり。

 クラシックにしろジャズにしろロックにしろ、技術的に「ズレた」とか「間違えた」とかくらいで悪い音楽には成り得ません。
 例えばすごく暴力的な指揮者がいたり、やる気のないプレイヤーがいたりすることの方が音楽的にはヤバイような気がします。
 だから、これまた無理矢理極論ですけど、「悪意や怠惰によって作られた音楽(演奏)」以外は例え下手くそでも「良い音楽」じゃないかと思います。


Q:「仕事でやる音楽と自分の音楽活動って区別してますか?」(埼玉県:Dさん、女性)

A:今の僕はインペク屋やイベンター、周りのミュージシャン、作曲家などから声をかけられて、先方の要求する演奏をしてギャラをもらう立場なので、自分の音楽をストレートに表現しながら生きてるわけではありません。
 仕事の内容によっては自分の音楽性を曲げて不本意な演奏をせざるを得ない現場も沢山あります。そういう場合はストレスが溜まりますから、自分のライブなどでやりたいことをやって発散させてバ
ランスをとったりしますね。

 しかし最近、「仕事でも自分の音楽性を出すようにする」という目標を持つことにしてからは、あまり仕事でストレスを感じなくなりました。
 でも中には先述の悪い音楽のようにどうしてもやりきれない仕事もあるので、そういう仕事はなるべく受けないようにしてます。一番良いのはシンガーソングライターやバンドでプロを目指す人達のように、「自分の音楽がそのまま仕事」になれば素晴らしいですよね。


とまぁ、多少理屈っぽくなりましたが、一応質問に答えてみました。ほとんど答えになってないような気が・・・。難しい質問が多かったですね。自分を見つめ直す良い機会にもなりました。質問下さった方、ありがとうございました。
 たまにはこういう「精神論」みたいなことも真剣に考えてみるのも良いですね。


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