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(テキスト:萱谷亮一)

8/2〜3日、千葉岩井海岸で行われた「RIZKENもりもり合宿PART2」に行って来ました。昨年に続いて2度目の参加でしたが、今年も盛り上がりましたよ〜。参加者の皆様、本当にお疲れさまでした。
 今回は僕が作った課題曲をみんなが演奏してくれたのもあって、とても思い出に残る合宿になりました。

ということで、今回は番外編として、夏休みの宿題的に「もりもり合宿を振り返る。」をお送りします。


 やっぱり今回の合宿も、教える立場にいながら、いろいろと考えさせられるモノがあったわけです。なかでも一番強く感じたのが、「合宿」というイベントの持つパワーでした。この場を借りて、文章にしてみようと思います。


 まずこの合宿での僕の役割は、パーカッションコースの講師と、課題曲の作曲。もりもり合宿の趣旨は、いつものグループまたは個人レッスンでは体験することの出来ない大人数でのアンサンブルや意見交換をすること、そして仕事や学校など普段の生活を忘れて太鼓に集中できる環境の中で、楽しみながらステップアップしていこう!みたいな感じのものでした。

 年齢もレベルも目的も超バラバラな参加者約45人が、それぞれ「何か」を求めて集まったわけです。自分がどれくらい叩けるのか試したい人もいるでしょうし、さらなるレベルアップを望んで来る人もいれば、夏休みの思い出を作りたい人、はたまた夜の宴会目的で来る人もいたでしょう。そんな45人全員が達成感を味わえる譜面を考えるのが僕の仕事です。
 あまりに難しいと、譜面に精一杯でアンサンブルを楽しめない人も出てきてしまう。その逆も然り。第一僕は参加者全員のレベルを把握してるわけじゃないし。コレが音大進学予備校の強化合宿なら意地悪な仕掛けを作って遊べるんだけど・・・。


とまぁいろいろ考えた末、ドラム×4,パーカッション×2の6人編成で、自由なパターンでアプローチでき、レベルに応じてどうにでもなるような譜面を作りました。
 中でも、一つのパターンを複数のパートに振り分ける、随所に空間的な部分を入れ、“間”の処理を委ねるなど

「アンサンブルを楽しんでもらおう」
「音色、雰囲気を大切にしてもらおう」

という2点に狙いを絞ってみました。
 実際に参加者の皆さんは、始めはとまどいもありましたが、徐々にこちらの意図を組んでくれたようで、リーダーを中心に、組ごとに特色のある、聴く方も楽しめる発表会となりました。
 特に初心者やベーシッククラスの皆さんの上達の早さは目を見張るモノがあり、最初は自分の音だけしか聞こえてなかった人も、周りとのバランスに気を配れるようになったり、リーダーの合図にしっかり合わせるなど、テクニック以前に音楽をやる上で必要な要素を感じ取ってくれたと思いました。

 特に大きな収穫だったのは、以前は「ズレたらズレっぱなし」だったのが、

「ズレに気づき、修正する」

ようになったこと。これはこの先の音楽活動で大いに役立つことでしょう。

 ただやはり難しかったのが、空間を埋めるセンスや音色にこだわることでした。
 これは指導する側もそこまで手が回らなかったのもありますが、やはり個人個人の、譜面を演奏する前のイメージが足りないように感じました。タイコなのでただ叩くだけでも音が出ちゃったり、メロディーが無いからビートで物を言おうとしてしまうけど、やっぱり他の楽器は音色やフレージング、響きなんかに気を使って演奏してるんです。

 ドラムは特にそういったものを一気にぶち壊す危険性があるので、その辺は今後の課題かな、と感じました。


 しかし冒頭にも書きましたが、「合宿」というものは、確実に何かプラスになって、とてもとても素晴らしいイベントですね。僕も今まで数々の合宿に参加しましたが、今考えるとその一つ一つが、人生に多大な影響を与えているのに気づきます。

 思えば中学2年と3年の時岡山から参加したRCCドラム教室の合宿で結構誉められたことが、プロになろうと思ったきっかけだっだなぁ。短期間で集中して目的を達成し、何かを得る事って、実生活ではなかなか難しいことかもしれませんね。
 そういえば運転免許も合宿でとったなぁ、関係ないけど。


 なにはともあれ、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、お疲れさまでした!なかなか有意義な合宿でした。
 来年以降も是非続けていきたいですね。出来ればもう一泊してさらに難しい壁にチャレンジできれば、それを乗り越えた時の達成感は大きいんだと思います。
 その為にRIZKENスタッフ一同さらなる努力をしていく所存でございます。

帰ってきて気が抜けたのか大熱出してしまいましたが・・・。


来月はまたもとに戻って、電子系打楽器編をお届けします。


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