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(テキスト:萱谷亮一)

 先月は3日続けてライブがありました。1日目は歌モノ、2日目はプログレ、3日目はタンゴという全く違うジャンルで、マルチパーカッショニストにはたまらない3日間でした。

 いずれも新しい可能性を見つけるために、いつもと違うセットにしてみたり、新しい楽器を使ってみたり、最小限のセットにしてみたりと、実験的なアプローチを試みましたが、やはり多くの課題が残る結果になりました。

 でも、課題が見つかったことがこのライブの最大の収穫ですよ。仕事では失敗出来ない分、ライブではいろいろやりたいことを試してみようと思っている今日この頃です。

 でもあんまりやりたい放題やってると、次呼ばれなくなるから気を付けよっと。

 さて、今回のテーマは、《電子打楽器で遊ぼう! (導入編)》です。



 今回から何回かにかけて、今僕が一番興味を持っている「電子モノ」にスポットを当てて見たいと思います。「電子(打)楽器」という言葉の定義についてはいろいろ説がありますので、ココでは「生打楽器以外の、音を出す(または加工する)機械」みたいな感覚で捉えて下さい。

 要するにシンセパッド、エフェクター、トリガーマイクなんかを使って遊べたらどんなに楽しいだろう、って今僕が思ってるから取り上げたんですけど。


 先述の3連続ライブ2日目のプログレバンドでは、UDU(壺)以外は全て電子(打)楽器という無謀なチャレンジをしてみました。

 1日目の歌モノライブでは、生のセットにシンセパッドを混ぜて一つのパターンを作ってみました。
 以前も札幌の小さなお店でライブという時に、パッドとMIDIマリンバだけ梱包して飛行機で運んで演奏した事もあります。しかしやればやるほど課題が続出するのがこの電子モノです。僕もまだまだ手探り状態なのですが、今まで試してきて解ったことを紹介できればいいなと思ってます。

 今回は導入編なので、まず電子打楽器を使って得することを考えてみましょうか。 ・・っていうか生楽器で困ることを考えてみましょう。


「音量で他の楽器に負けてしまう」

「場所が狭い、または楽器が大きすぎて上手くセッティングできない」

「変な音楽なので普通の音色じゃ物足りない」

「気温・湿度などによって音色が変わってしまう」

「周りの楽器とピッチが合わない」

「持ち運びが大変」


 これら全てを解決してくれるのが電子モノです!

 これだけでもう電子打楽器を使う価値は充分ありますね。そして電子楽器の最大の魅力は「豊富な音色」にあります。内蔵音源だけでもかなりの音色がありますし、生の音色を加工して新しいサウンドを作ったり、街に溢れている自然の音を音楽的に使うことも出来るのです。

 生楽器でいろいろな音を貪欲に追求していくうちに電子楽器に辿り着くのはごく当然のことでしょう。

 ちょっとは電子モノに対する偏見はなくなったでしょうか?次回は実践編として、使えるアイテム、電子打楽器の可能性、電子楽器の短所・・・などなどを紹介したいと思います。


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