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(テキスト:石川 武)

今月の偉人さん  トム・ブレックライン_その2


Tom Brechtlein
(トム・ブレックライン)

 

 若くしてチック・コリアのアルバムでメジャーデビュー。ウエイン・ショーター、アル・ディ・メオラ、ジャン・リュック・ポンティを経てロベン・フォードのバンド、ブルーラインに参加。現在も様々なセッションで活躍中。

トムのドラミングを聴こう。
Handful Of Blues 」
Robben Ford & Blue Line
「Mystic Mile」
Robben Ford & Blue Line

「わからなかった!」

 トムの第2弾、というわけなのですが、やっぱりトムとは付き合いが長いのでしょっちゅう出てきちゃうけど、なるべく小出しにしていきましょう。
 今回のトミー話はトムと付き合い始めて2,3年経った頃のお話。トミーがロベン・フォードのツアーに入ったばかりの頃のお話です。

 ロベンの新譜に伴うツアーで、東京では今は無き芝浦インクスティックでライブが行われたのです。例によってトミーに招待してもらって芝浦に出かけました。
 ライブ会場には一般のお客さんに混じって、けっこう大物が来ていました。U.Kというバンド、ご存知ですか?テリー・ボジオが在籍していたプログレのバンドです。そこのキーボード及びバイオリニストのエディ・ジョブソンが来ていました。
 当時とてもレアな感じがした人だったので、強烈に印象に残っています。その他、日本でも有名になり始めていたデニス・チェンバース等も来ていました。やはりロベンはミュージシャンズ・ミュージシャンなんですかね?

 演奏を一通り見て、終演後トムに会って話を始めました。するとそこにデニスが寄ってきて、
「ハイ、トミー。調子はどうだい?」
みたいな挨拶をしています。トミーは

「やあ、デニス。なんか手首の調子が悪くて、ちょっと痛いんだよね」

と答えるとデニスが一言

「Practice!!」(練習が足りん!)

と言い捨てて他のミュージシャンの所に行ってしまいました。
 トミーはデニスと仲が良いらしく、特に気にしている様子はなく、ニコニコ笑っていましたが、デニスを初めてみた私は、その迫力と(足の太さなんか私の胴体ぐらいに見えた)クールなジョークについていけず、足がわなわなと震えておりました。
 そんなアクシデントの後トミーと話し始めました。私が

「トミー、スネア変えたの?音がちょっと違ってたね?」
と聞くと


「あースネアね。それがさあ、終わってから気がついたんだけど、裏のヘッドが破れてたんだよね。やってるときはよくわかんなかったよ!」
「・・・・・・・」


そういえば以前トムのシグネーチャー・スティックが出たとき、
「これヒッコリー?」
と聞くと

「知らん!」

と一言。

「リーガル・チップのスタッフが選んでくれたんだ」
「・・・・・・・」

 楽器のこととかあんまり気にしないんですね。但し、演奏はいつ見てもウォームでヒップで熱いんですよ!そこが僕の一番好きな所。
 本当に音楽に対して底力があるんだなあと思います。こう思う事はほかにもいくつか事件があるんです。まあこれはまた後日ということで。

今月の一言
「知らん」
I don’t know !

解釈・・・道具にこだわらなくても、人は感動させられるのだ!

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