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(テキスト:石川 武)

今回の偉人さん

猪俣猛
(いのまた たけし)

 言わずと知れた日本を代表するジャズ・ドラマー。リズケンを主宰する江尻氏もまた猪俣氏を師と仰ぐ人である。猪俣氏自身は、宝塚歌劇団のオーボエ奏者だった父が出演していた、神戸のシビリアン・クラブで働いたり、米軍基地での演奏活動から始まり、今日ではジャズドラマーとして不動の地位を築くに至っている。
 現在はRCCドラム教室にて若い世代の教育も手がけている。
猪俣さんのドラムをコレで堪能しよう
My Sweet Love
猪俣猛&His Friends
BEST OF NEW YORK 
DEAR MY FRIENDS

真のリーダー

 先日、私のおじいちゃん先生にあたる(私の師匠の師匠)猪俣猛氏のパーティヘ行きました。(実際は奥様のテリーさんの新作CDの発表パーティでしたが)パーティ会場ではテリーさん、猪俣さんの演奏があったわけですが、パーティー会場に入ると猪俣さんが

「おう、石川!今日は優子(猪俣さんの娘さんーパーカッショニストーです)が来てるから楽器がいっぱいあるんだよ、後でお前も何かやってな」

とおっしゃいます。
 最初は冗談だと思ってたんですが、結局後でステージに上がることになりました。ここで叉偉人さんの凄さを垣間見ることになったのです。

 以前私は師匠につれられて、猪俣さんのビデオ撮りの仕事に行ったことがあります。ビデオは教則ビデオのようなもので、様々なリズムパターンをドラムとパーカッションのアンサンブルで紹介するというもの。
 まずは8ビートからということで、早速猪俣さんが人選をして各々に楽器を振り分けました。私も何か小物の楽器を仰せつかり、セッティングされた楽器のところに立つと、猪俣さんが一言

「じゃあやってみようか」

 ちょっとまってよ、何をどんなふうに何小節ぐらいやるの?慌てふためいて私の師匠に質問すると、師匠も一言

「やりゃあ分かるよ」

猪俣さんに訴えかけるような目線を送ると、

「見てりゃわかるよ」

と一言、、、訳も分からぬまま猪俣さんのカウントが、、、ってなふうに始まってしまったんですが、これが不思議、本当に分かるんです。どんなふうに展開してどんなふうに終わるのかさえも。猪俣さんのプレイ自体にみんなを先導していくオーラが満ち満ちているんです。
 結局最初っからテープをまわして、最後までほぼNG無し。狐につままれたような感じで家路につきました。

 今回のパーティーでも同じような感覚を再度感じました。昔とはもちろん少々感じは異なってましたけど。何の打ち合わせもなく、もちろんリハもなく演奏を始めるんですが。なぜか安心してやれるんですね。テクニックはもちろんなんですが、なんなんでしょうねーこの基本的なオーラは?リズムの要のドラムの役割が、体に染み付いているんですね。本当の意味でのリーダーだ、ということを改めて感じた次第でした。

 やっぱりドラマーって男っぽいよなー!!!


今月の一言


「見てりゃ分かるよ」


解釈 
No,1 不言実行
   No,2 音は口程にものを言う

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