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2004/9月号

(テキスト:石川 武)

Omar Hakim 他

smappies ?



「smappies ?」


 スマッピーズ、知っていますよね。スマップのヒット曲をUSのミュージシャンがインストバージョンなどでカバーしているCDです。ミュージシャンが豪華なので結構話題になりました。今回はこのCDにまつわるお話。

 一つ目は音楽関係者から聞いた話から。このCDはスマップのスタッフが海外(特にアメリカ関係の)有名ミュージシャンを使って作ったのですが、その理由はというと・・・・。

 スマップのブレイクでお金をたんまり使えるスタッフ。自分の憧れミュージシャンを使ってCDを作りたいと考え、スマップの関係CDなら予算を使えるということで、カバーCDを企画しました。
 多分スタッフは僕なんかと同じ年代じゃないかな。フュージョン全盛期に中、高、大学時代を送った年代。スマッピーズの録音メンバーを見ると、当時あこがれていた一流ミュージシャンのオンパレードです。

 で、その録音でのひとコマ。ドラマーはオマー・ハキムです。スタジオに入ったオマー、譜面を一読して、「まずはちょっとやってみるよ」とブースに入っていったそうです。

 1回演奏して「どう?」。

 すると日本人プロデューサーは「ほぼOKですがここんとこをこんな感じでお願いします!」 と指示。すると「OK!」といって又ブースに入ったそうです。

 指示部分を直してざっとプレイしました。するとミックスルームから「オッケーーーー!!!」というでっかい声が・・・。「ありがとうございました!!」とプロデューサー。

 するとオマーのマネージャーが小声で「こんなんでいいの?これからドラムがオマー・ハキムになっていくのに・・・」って。

 まあ、スタジオ代、ミュージシャンフィーなどのこともあるんですが、音楽製作の違いを垣間見る一場面ですよね。

 これに関して後日談。

 とあるミュージシャンがこのCDのオーバーダビング頼まれて、オマーたちのトラックに打楽器を指したそうです。そのときの印象で

 「なんかさぁ、クリックと演奏が合ってないんだよね。どこで叩いていいかわからなくってさぁ。クリックの音の最初で演奏してる人、真ん中でやってる人、後ろでやってるひとがた。やりにくかったぁ・・・」

 まあ、演奏はクリックには合っているんですが、その位置の問題らしいです。なんか深すぎて「ほぇ〜〜〜」なんて生返事。

 それにしてもこのスマッピーズ、そんな出来であるにも関らず、僕はしょっちゅう聞いています。全体的な完成度、僕にとっては高い!!やっぱりアベレージが違うんだよな、一流は・・・・。僕達ももっと突き詰めなきゃいかんですね・・・本当に。
 是非皆さんもこのレベルの違い、一度聞いてみてください!!


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