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2004/4

(テキスト:石川 武)

ドン アライアス

JACO PASTORIUS 「DONNA LEE」



「DONNA LEE」収録アルバム


 ドナ・リーは言わずと知れたビ−・バップの名曲。ジャコはこの名曲をドンとのデュオで録音しています。ドンは当然コンガのみの演奏。

 始めてこの演奏を聞いたとき、さしあたって音自体が持つ暖かさというか、サウンドとしての完成度の高さに感銘。もちろんジャコの表現能力は卓越しているし、内容もすばらしいのだけれど、なにかもっと根源的なものを感じます。 表面的なすばらしさ以上のものを。

 僕はこの曲を20年以上聞いています。かなり頻繁に。その上最近では私のバンド「モヒート」のライブでも身のほどを考えず演奏しちゃっています。ただ私の場合はピアノとのデュオですが・・・ピアニストの阿部篤志氏と一緒にやっているわけです。

 なぜこの曲をやりたくなったのかということを最近考えるようになりました。で、考えながら聞いているうちにやっとこの曲のすばらしさが見えてきた気がしました。

 それは「二人の気のつながり」みたいなものなんだと思うんです。

 お互い自由でありながら、しっかりとお互いを見据えている。タイム的にも表現的にも結びついている。そこに個々の表現のすばらしさが上乗せされているから100%以上の旨みを感じるんです。

 人間的にもお互い絶対的な信頼感があったのでしょう。細かく言うと、メロディに対する個々のアプローチの独自性。独自性を持ちながら、二人のアプローチが柔軟に溶け合っている点。ジャコのメロディに対する想像力のすばらしさ。ドンのサイドメンとしての資質、これは今までにも何度となく書いてきましたが、メインのサウンドに絡む感じが絶妙。パターンを感じさせない背景作り、等などです。

 これ話し出すととまらなくなるので、これで・・・
 是非聞いてください、じっくりと、何回も!!


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