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カリエンテカリエンテ 2004/8月号
ラテンパーカッショニストの食い道楽

 夏、である。

 ラテンと言えば夏。サルサイベントもてんこ盛りだし浅草サンバカーニバルも夏。やはり暑い国の音楽は暑いときに聴きたくなるものなのだ。

 この夏をさらに熱ーく過ごすにはどうしたらよいか。やはり熱い国流に過ごすのが一番である。

 例えばキューバ。

 キューバ人は砂糖が大好きである。珈琲なんて目を白黒させるくらい砂糖を入れる。フルーツの砂糖漬けは、頭がクラクラするほど甘い。
 おまけにキューバといえばラム酒。カクテルでもストレートでも毎日のように飲むこの酒は、サトウキビから出来ている。これはすこぶる甘くて実に旨いのだ。

 そしてアイスクリーム。

 キューバにはコッペリアという有名なアイスクリーム屋があるのだが、これがまた滅法旨いのである。余程の映画好きかキューバ好きな人は知っている、「苺とチョコレート」という映画で出てきた店だ。

 ハバナリブレの向かいの公園にある本店は毎日長蛇の列。
 後から知ったのだが、ここは観光客用のドルで支払う場所とキューバ人用のペソで支払う場所があるそうだ。観光客用はあまり待たずに買え、綺麗なガラスか何かの入れ物に入っているとか。
 
 そんなことはさっぱり知らなかった私は、地元の人たちと共に1時間も並んで購入。「コレ、洗っているの?!」ってな薄汚いプラスティックのケースに入れられたアイスクリームを頬張ると、強烈な甘さが脳天を貫くが、またもう一口もう一口と食べたくなる。
 彼らはこの甘いアイスクリームを2つも3つもカップに乗せ、ガツガツ口に放り込んでいる。なんとも贅沢な限りである。

 
 サルサやキューバ音楽で、歌の合間によく出てくる「azucar」(アスーカル)。これはスペイン語で砂糖を意味するのだが、彼らには一種のかけ声。「オラオラ、ガンガン行くぞー。」と言った感じ。
 全く砂糖に対しての欲求と執着には脱帽である。

 しかしあの暑さの中、デミタスカップに注がれた驚くほど甘い珈琲やフルーツ、溶けないほど砂糖が入ったモヒートなどを飲んでいると一瞬暑さが和らぐ気がする。なんとも不思議なものなのだ。

 場所は違うが心はキューバへ。ってことで、砂糖をたっぷり取りながら「アスーカル、アスーカルゥゥゥゥゥ〜〜〜。」と叫び、熱く熱ーくなってこの夏を過ごそうではないか。


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