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・カリエンテカリエンテー3月号

●カリブ〜フランス語圏の音楽

○マルティニーク


<ズーク>

 「熱帯のフランス」と言われているフランス海外県マルティニーク。
 1970年後期、パリのスタジオでピエール・エドゥアール・デシムスが新しいサウンドを模索していた。そして、様々なカリブ海のリズムに打ち込みを多用し、パワフルでモダンなサウンドを創り上げた。これがズークである。その後ピエールは当時のレコーディングメンバーとカッサヴというバンドを組み、「ズークだけが俺たちのクスリさ」というアルバムを大ヒットさせた。
 彼らの作り出したサウンドはパリを経由して世界に。メレンゲやコンパのアーティスト達にも取り入れられ、80年代カリビアンサウンドの代表となっていったのだ。

 現在はすっかり流行の波は去っていったが、バリエーションを持ち始めている。ひとつはカッサヴの継承するバンドサウンド。もう一つはR&Bやレゲエの影響を受けたクラブ系。そしてもう一つはスローテンポのラブソング。
 これらのサウンドを継続するアーティスト達が出現しているが、ズークサウンドにはレコーディング向きの特性もあって、どうもデジタル一辺倒になっている。


<伝統芸能>

 デジタルサウンドのズークが演奏される中、アフリカ色の強い伝統芸能も見直された。ベレやカリンダという音楽は、ドミニカ国やトリニダードなどに広く分布するものである。マルティニークでは農村歌手が大衆に受け入れられ多くのミュージシャンに受け継がれている。マルティニークの大衆音楽で有名なのが、バンブー・フルートを手にしてゴスペルからベレまで幅広く歌うユジェヌ・モナという人物がいる。
  もうひとつ、クレオール語で回転木馬を指すシュヴァル・ブアという田舎音楽がある。これはその名の通り、回転木馬の伴奏に用いられる音楽だ。
 また、このほかにグアドループでは、様々なリズムバリエーションを持つグウォ・カと呼ばれる太鼓歌も再認識されている。


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