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今月のおすすめ担当  リズケン研究生・小林洋二郎
「Soul Vaccination」 :Tower Of Power
 ケン・ミュージックに18歳の頃からお世話になっている。

 当時から、ミュージシャンなら知ってて当たり前の、いわゆる超有名アーティストに疎かった。
 特にセッションミュージシャンについては無知極まりなかった訳で、その無知っぷりといったら「Buddy Rich」メモリアルライブのスーパープレイを見て

「このブディー・ビッチって人、凄いっすねぇ〜」

と何のためらいもなく言い切ってしまうくらいだった。
 「レッスンを受けてるだけじゃいかん!もっと音楽を知らなければケンスタに波に乗り遅れる!」などという訳の分からない脅迫観念からケンミュージックにあるCD達を少しずつ聴きはじめたが、聞いた事も見た事もないアーティストのCDをみては「あ〜、よく分かんねぇや!」とガッカリしていた。

 今聴けば、なんてことない名版の数々なんだがその当時は理解するのに時間と努力が必要だった。

 そんな中、今回紹介する「タワー・オブ・パワー」はすんなり自分の中に溶け込んできたのだった。溶け込んできたというよりも、体の中で化学反応が起きた。「なんだこりゃぁ〜〜〜!!!」カッコ良すぎだったのである。

 もともと高校で吹奏楽をやっていたのでブラスセクションが入っている事に親しみを持っていたにしても、もの凄いショックを受けたのだ。

「こんなにカッコイイ奴らを知らなかったなんて、俺のバカバカ!!!」

 キレがいいし、えらくゴキゲンだし、なんだかアダルトな色気を感じるぞ?しかもライブなのにこのクオリティー。どうなってんだこりゃ?確かこのくらいショックを受けた。と同時に自分のお気に入りCDに登録されたのだった。

 気付くと、なんといってるのか分からない英語の歌詞を独自の俺言葉に仕立て上げ、CDと一緒に唄える位聞き込んでしまった。他のアルバムも聴いてみたものの、なぜかこのライブ版に戻ってきてしまう。自分の中にある何かをがっちり掴んで放さないアルバムなのだ。

 このライブ版で叩いてるガリバルディーのタイトな・の・に・大胆なドラミングは最高。「パスッ、パスッ」と絶妙なタイミングで入るスネア。キレのあるシンバル。いわゆる無駄な音が全くないサウンドでの躍動感のあるビートはお見事。

 「ちょっとぐらい雑な方が味わいがあるんじゃい!」とか
 「ミキサーさんがソートー巧いんだね。ハハハッ。」
と言ってしまいたい所だが彼のプレイを聴いてしまった後にはどれも説得力がなくなってしまうのだ。後に先輩ドラマーから

 「ガリバルディーはボリュームレンジが5段階あって、それで全てのプレイをコントロールしてるらしいよ」

という話を聞いたときも深くうなずけるのであった。

 理屈つけるのは簡単だが理屈じゃない格好良さ。

 言葉にするともの凄く軽薄になってしまうが、百見は一聞にしかず?ぜひともこのバンドのライブサウンドを一度は味わってもらいたい。

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