今月のおすすめ担当  リズケン研究生・呉 成徹
「GALTROPOCAL」 Gal Costa
 最近、好んで聞いているアーチストがいます。ブラジルの女性歌手、ガル・コスタです。
 車に乗っていても、電車に乗る時も、どこでもいっしょ、もうトロ気分です。その中でも特に好んで聞くのが今回紹介する11枚目のアルバム

「GAL TROPICAL」

1979年に発売されたものです。
 このアルバムは大ヒットした同名ショーをスタジオ化したアルバムで、ドラムにSergio Bore、パーカッションにCharles Chalegreです。彼女の美しい歌声や、ブラジル特有のギターの旋律、お茶目なクラリネット、それにドラムやパーカッションがアメリカの音楽とは違うブラジル特有のリズムで繰り広げられます。

 そのリズムが絡み合う様子がパーカッショニストにとって勉強になります。
   
 ところでドラマー、パーカッショニストの皆さん、ブラジル音楽のリズムを説明、演奏するとき、どう表現しますか?大きな意味でのサンバだったりボサノバだったりしませんか?
 僕も実際そういう漠然とした感覚でブラジル音楽に接していました。

 でもガルコスタや他のMPBのミュージシャンを聞くと、あのリオのカーニバルのようなリズムやボサノバのパターンはあまり出てこない場合が多いと思います。どちらかというと、ロックやファンク色の強いものが多いように思います。何故かと思って調べてみました。

 ガルコスタのデビューは1969年、ボサノバのブームが終焉を迎え新しい音楽、MPB(エム・ぺー・ベー)が台頭してきた頃です。
 この頃、ブラジルでは政治的混乱の時代で、ミュージシャンたちは皆、歌詞に政治に対する思いを織り交ぜて歌いました。

 ガルコスタはカエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルらと友にトロピカリズモ運動というう音楽運動を引っさげて表舞台に登場しました。トロピカリズモではなんでもありで、ロックもあればサンバもあり、電機楽器も導入し、ブラジルの伝統音楽とミックスされ生まれたものであります。こうしてこの時代に生まれたMPBは現在のブラジル音楽シーンまで多大な影響を及ぼしているのです。

 ガル・コスタはデビューから現在にいたるまで25枚のアルバムをコンスタントに出して活躍しています。
 僕のお勧めは74年に出した「CANTAR」〜80年代のアルバムが良いと思います。

 とまあ簡単に紹介しましたが、皆さんもドラマーやパーカッショニストのプレイを分析する時は、そのジャンルや時代背景も一緒に研究すると、そのフレーズの意味がわかってきますよ!お試しあれ?あれ!


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