今月のおすすめ担当  リズケン研究生・秋葉 正樹
「Sea Changes」 Tommy Flanagan
 僕のオススメするCDはシーチェンジズ/トミーフラナガントリオです。

 このアルバムは僕が初めて聞いたピアノトリオのCDで、当時ほとんどジャズ初心者だった僕も、このアルバムを機にすんなりその世界に入れたことを覚えてます。

 まずアルバムについてお話ししますと、1996年のスタジオ録音で、トミフラは1930年生まれだから録音当時66才…もうお年寄りですね。で、このアルバムのテーマは「SEA」で、タイトル曲を含め海に関係する曲を多く取り上げています

I COVER THE WATERFRONT
BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA
HOWDEEP IS THE OCEAN

などです。また、レコーディングされた曲の中の5曲はトミフラの過去の名盤「オーバーシーズ」からの再演で、数十年を隔てたトミフラの聞き比べも楽しめます。


 次にミュージシャンについてですが、トミーフラナガントリオ:トミー・フラナガ
ン(Pf)とピーター・ワシントン(B)、ルイス・ナッシュ(Dr)です。
 トミフラ晩期のレギュラートリオで、”ピアノトリオの最高峰”と評されているらしいです。以前キース・ジャレットトリオ(スタンダーズ)とケニードリュートリオのアル
バムを手にしたときにもそれぞれのジャケットに「最高のピアノトリオ」といったこ
とが書かれていた覚えがあります…ジャズ界には最高のピアノトリオがたいそうたく
さんあるんですね。 

 それはさておき、リーダーであるトミー・フラナガンは先述の通りもう60才を過ぎた爺様で、かのバド・パウエルにも師事していたピアニスト。パウエル派ならではのクセのない美しいメロディーとタッチで魅せてくれる他、このアルバムに多く含まれるアップテンポの曲では熱い演奏でも魅せてくれます。

 で、リズケンのWEBなんで、ドラマーについてもふれておきましょう。ルイス・ナッシュは確か現在まだ40代の若手(?)No1ジャズドラマー…この若手No1っていうのもいろんな人がその称号を得ている気がしなくもない(某JWとか某GHとか)ですが、とにかくこの人もすごい人です。
 しかしながら、すごいといっても某JWさんのような超絶ポリや、某BSさんのようなマッチドグリップによる一風変わったアプローチは見られることはなく、いたってシンプルな、いわば伴奏型のドラマーです。
 でも、アルバム中にあるドラムソロ(12バースなど)なんかを聞くとその歌いっぷりに感服しちゃいます。派手でなくても、その構成の仕方や歌い方で聞かせる。こういうのがソロっていうんだなあ、って。ついついアルバム中のソロを全部耳コピしてしまいました。
 その他、もちろん伴奏型というだけあって、レガートもきれいだし、トミフラとのインタープレイやブラシワークにも興奮を覚えます、ハァッ、ハァッ・・・。

 ちなみにおそらく使っている楽器はソナーのデザイナーシリーズだと思われます。すごく芯のある太い音です。最近ジャズドラマーでもソナーを好んで使う人が多くなってきたように思いますね。某JDとか某JW(←しつこい?)とか。

 そんなこんなでジャズ初心者の方にも、またそうでない方にもオススメできるトミフラトリオ、いかがでしょうか。

 [最後に]
 すでにほとんどの方はご存じでしょうが、トミー・フラナガン氏は去年の11月に、今年の日本公演を控えつつも亡くなりました…絶対聞きに行こうと思ってたのに。こうやって次々に巨匠達が消えていくのですね。なんとも惜しい限りです。ご冥福をお祈りすると共に今回のアルバムの紹介、終わりとさせていただきます。

バックナンバー

「Into The Light」 Gloria Estefan
「WINELIGHT」 GROVER WASHINGTON.JR
「SPIKE JONES goes classics」
「NEW YEAR'S CONCERT 2002」
「SOMETEIMES LATE AT NIGHT」 CAROLE BAYER SAGER
「The ForbiddenZone」Tom Coster 
「STEREO」山崎まさよし
「upfront」 david sanborn  
「KORN 」KORN  
「Trio In Tokyo」 Michel Petrucciani
「Love Affair-Music Of Ivan Lins」VA 
「beauty and harmony」 miwa yoshida