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2004/12月号

(テキスト:石川 武)

DAN GOTTLIEB

PAT METHENY GROUP



PAT METHENY GROUP


 ドラムの演奏が音楽と絡むということを、僕自身が体感することってあまりないんですが、このアルバムはそれを感じさせてくれた最初の一枚なんです。

 ダン・ゴットリーブという人、かなり気に入りました、これを聴いたとき。今でいうリックとかテクニックとか技というものを何一つ感じさせずに、音楽を感じさせるドラマーとして認知したわけです。

 一度ドラムマガジンのハイハッティストという特集で取り上げられたこともあるダン。その言葉どおり、彼のシンバルワークは天下一品と思えます。
 もちろんそのチョイスもそうなんでしょうが、彼ならレンタルスタジオのシンバルだって、きっと同じように感じるプレイをするはず。それくらいタッチとサウンドのバランスをうまく聞かせてくれてるんです。

 もちろんパットの楽曲もすばらしい。ですがバンドが一体となってひとつのサウンドに向かっていけているレコーディングも数少ないでしょう。

 僕の友人がアメリカの東海岸にドラム留学をし、そのまま居着いてドラマーやってるんですが、彼が通う某ドラマーのレッスンでダンはスクールメイトだそうです。そう、未だに習ってるんです。
 飽くなき探究心だそうです。いつもレッスン後に熱心にドラム談議をするそうです。

 そんなダンのドラムと音楽に対するひたむきな感情が、このアルバムではとっても良く表現されてると思います。朝ごはんのBGM、昼寝時のBGM、夜の酒のお供のBGM、ドライブ時のBGM、特に海岸線のドライブにはなくてはならないBGMであります。
 何にせよ、ダンのシンバルワーク、特とお聞きください。もちろんハイハットも!

 ドラムってこんなに「音楽の中に入れるんだ」って思いますよ。土台だけじゃないんだって。

 僕の某先輩が言っている、「ドラムを奏でる」ってこういうことなんだなって感じさせてくれるアルバムです。ぜひお聞きください!!


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