「ボカ〜ン!」はリズケンがお贈りするエンターテイメント・マガジンです。
リズケン・スタッフや外部ライターの方による傑作をお楽しみください!
リズケンサイト・トップページへ
    

(テキスト:呉 成徹)

「アフリカのジャンベ」

 今回紹介するのは「ジャンベ」
 現在、日本のポピュラー音楽、特にアコースティックな音楽において1、2を争うほど用いられる有名な打楽器で、パーカッショニストの間で無くてはならない楽器です。

 では、そのジャンベ、何処の国の楽器か?
 そんなの簡単、アフリカだよって思っている人多いと思います。実際自分もそう思っていました。

 しかし、アフリカと一言で言っても、あの大きな大陸に50ほどの国があり、フランスやポルトガルなどのヨーロッパ各国が植民地支配した国々からなり、黒人以外にも色々な人種が住んでいる所でもあります。

 アフリカにはトーキング・ドラムと言う文字の変わりに太鼓を叩いて言葉を伝えていく楽器があります。
 そのトーキング・ドラムには様々な形や種類の打楽器があり、ジャンベもその中の1つであります。

 ジャンベが使われている国は、西アフリカ(コートジボアール、マリ、ブルキナファソ、セネガル、ギニア)各国に住む、マンデンゴ族の言葉でDjembe(ジャンベ、ジンベとも読む)と名がついたと云われています。

研究生 岡本俊文さん  ジャンベの構造は1本の木を花瓶の形、ゴブレット形にくり貫いて、山羊皮をロープで締め付けたものであります。ジャンベ最大の特徴として、豊かな低音と歯切れの良い高音をだせることだと思います。
 その秘密は、ゴブレット型の形にあります。

  この低音を引き出す形が発案されたのは、古代ペルシアで、アラブの楽器ダラブッカがイスラム文化の影響で西アフリカに伝わりジャンベになったといわれています。

 西アフリカで一般的に行われている演奏形態として、冠婚葬祭や成人の儀式、収穫の為の儀式など、一般的に祭りの行事に演奏される楽器であるとされています。

 リズムの種類も約300種類位あるとされ、一つ一つのリズムに行事の時に使われる意味があると言います。
 その様に演奏される時には、ダンス、俗に言うアフリカン・ダンスは必ず付き物で、その他に、伴奏楽器のケンケニ、バラフォンなどが用いられます。その中で特筆すべき事は、ジャンベ、ケンケニなどが、3本の大、中、小の大きさの太鼓を使って演奏されることです。
キューバのコンガ、バタドラム等の楽器も3本で演奏される事で、西アフリカから伝わって来た事が証明されている事です。

 西アフリカには私たちが普段使用している西洋式の譜面など無く、すべて口伝え(叩き伝え)によって受け継がれてきました。その中でも「ジャリ」と呼ばれる、一族の中で代々受け継がれているリズムや部族の情報などを伝えていく人たちがいます。まるで北斗神拳のように(笑)。

 その様な歴史ある楽器とリズムを習得するのは、かなりの根気と鍛錬が必要であります。
しかし、現在日本で最もポピュラーに使われている奏法として、豊かな低音と歯切れの良い高音で、ドラムセットの変わりにリズムを演奏されていることが多いです。

 現在、各打楽器メーカーからトラディショナル・タイプ、チューナブル・タイプなど売っていますが、最近見つけt物で、自分で作る為のキットなども売られています。やはり西アフリカでは、手作りが当たり前ですので、自分も1度作ってみてはいかがでしょうか?



Presented by RIZKEN / since 2001.03 / All rights reserved by KENMUSIC