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ラテンパーカッショニストの食い道楽
 演奏することも、食べることも、原稿を書くことも、毎日何事にも研究心や探求心を忘れてはならないのである。やはり、今月はこの原稿を書くために、新しい店を開拓した方がいいのではないか。よし、新規開拓のために取材が必要であるな。

 と、無理矢理な理由をつけて取材を兼ねた食事をしてきたのであった(自腹)。

 選んだトコロは、四谷にあるポルトガル料理店。

 JR四ッ谷駅から徒歩5分くらいだが、裏路地にありひっそりと佇んでいる。入り口は地下になっており、階段を下りて中へ入ると、港町の風景がタイルで描かれているなんとも美しい内装。

 

 壁には、ポルト酒のポスターなどが貼られており、ワインへの期待も膨らむ。
 とりあえず白ワインをグラスでお願いし、飲みながら料理を考え、ボトルのワインを選んでもらう。サービスは、気さくで優しくつかず離れずのほどよい距離感。ついつい長居したくなるような零囲気なのである。

 メニューは、フェジョアーダなどブラジルで食べた料理がある。フェジョアーダはブラジル料理なのかと思っていたが、植民地時代にポルトガルから伝わったものらしい。

 ポルトガル料理は、バカリャウという干ダラを使うのが基本。各家庭に必ずバカリャウ料理があるという。

 素材の味を生かしスパイスなどは使わない料理、と聞いたが、バカリャウがかなり塩気があるので、どれもしっかり味のように感じた。うれしいことにワインが進んでしまう味なのだ。

 特に美味しかったのは、バカリャウのコロッケ。素朴ながらもジャガイモとバカリャウの味がしっかりとしている、初めて食べたのに懐かしく感じるものだ。

 そしてタコのリゾットや鰯のサラダなど魚介類が美味しい。

 ポルトガルは新鮮な魚が捕れる場所とあってか、魚介類の美味しさを引き出す方法がわかっているのだろう。

 それから、モツの煮込み。モツはトロリと柔らかく、スープにはモツと野菜の旨味が一体となり、バカリャウの塩味が効いていてやめられない美味しさ。

 ちなみに、この日注文したのは全7品。プラス、グラスワイン、ボトル1本、ポルト酒。飲んで食べて大満足!ワインもポルト酒も手頃な値段から揃っており、いろいろ選択できるから安心でうれしい。

 ワインを飲まず、料理1〜2品くらいでも、温かく迎え入れてくれると思う。実際、あっという間に食べて帰った人もいたのだから。

 正直、ポルトガルという国は殆ど知らない。しかし、ここの料理を食べてポルトガルが好きになった。いつか、ポルトガルに行ってみたいとさえ思った。食い道楽ツアー。いや、飲み道楽かな。

 ポルトガルの音楽に、店名にもなっている「ファド」というものがあるらしい。リスボンの下町アルファマで生まれた唄と言われている。そのファドのライブを定期的に行っているというので、次回はその日を狙って再訪しようかと思っている次第だ。

  普段使いにも記念日にも対応できる店だろう。機会があったら是非行ってみて欲しい1軒である。

  


「MANUEL CASA DE FADO マヌエル カーサ・デ・ファド」


千代田区六番町11-7 アークスアトリウムB1
03-5276-2432
11時半〜14時半・18時〜22時半L.O. 日曜休


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